腕が上手く上がらない原因
脳卒中後遺症で1番多い悩みが上肢に関する悩みじゃないでしょうか。
- 腕が上がらない
- 腕が重い
- 勝手に肘が曲がる
- 指が握りっぱなしで開かない
- 自主トレしても変わらない などなど
今回は腕を上げるために必要な知識と自主トレを紹介します。
腕を真っ直ぐ上げるには?
まず、先に知っておいてもらいたいこととして、実は腕を上げるには肩関節だけではできません。
腕を上げるには5つの関節が必要です。
肩甲上腕関節が一般的に言われる肩になりますが、全体の4割しか占めていません。なので、肩より高く腕が上がらないという方が大半なのではないでしょうか?
腕を上げるためには少なくと5つの関節が正常に機能している事が前提になります。
脳卒中後遺症のリハビリをしていると、肩甲胸郭関節と脊柱+その他の部分に問題を抱える方が非常に多い印象です。
原因① 肩甲骨
肩甲胸郭関節とは肩関節の中枢に位置する非常に大切な関節の一つです。
胸郭は、12個の胸椎、12対の肋骨、1個の胸骨 から構成される籠状の骨格です。 胸郭 で囲まれた空間には、心臓や肺などの 重要な臓器が収められており、呼吸の動きに合わせて、胸郭が広がったり、縮こまったりします。
肩甲骨は、背中の上部にある逆三角形の平たい骨で、手のひら程度の大きさです。腕の骨は肩甲骨に繋がり肩関節(肩甲上腕関節)を形成しています。
そのため、肩甲骨に問題が生じると肩関節に問題が生じます。
胸郭と肩甲骨が触れている接触している面のことを肩甲胸郭関節といいます。
先ほども、言ったように肩甲胸郭関節は腕を上げるために重要な関節の一つです。
腕が動いているときには、肩甲骨も同様に動いています。
下の図をご覧ください
腕を下ろしているときと、腕を上げているときでは肩甲骨の位置が違うことがわかります。
腕を2°上げていくごとに肩甲骨は1°動いていくと言われています。コレを肩甲上腕リズムと言います。
つまり、腕を上げるためには肩甲骨が十分に動く必要があります。
よく首や肩が凝るという方は肩甲骨が動きにくい状態にあるかもしれません。
原因② 脊柱+その他
脊柱とその他は胸郭のことを指しています。
上記で、肩甲胸郭関節(肩甲骨)が十分に動く必要があると説明しましたが、肩甲骨が動くには胸郭が動くことと脊柱がまっすぐであることが必要です。
綺麗な姿勢と猫背の姿勢では脊柱が丸みを帯びてしまいます。
脊柱が丸くなってしまうと、脊柱に付いている胸郭の動きを制限してしまいます。
結果
背骨が丸い→胸郭が動かない→肩甲骨が動かない→肩甲骨に付いている腕が上がらない
というように負の連鎖が生じてしまうワケです。
腕が上げるための自主トレ
背中を伸ばしつつ、胸郭の柔軟性をひきだす練習を紹介します