パーキンソン病の進行を予防する運動
パーキンソン病を発症すると歩くことが難しくなるという悩みに直面します。歩けなくなる事で外出の機会が少なくなり、生活の幅が狭まってしまいます。そのため、日頃から歩ける身体づくりをしておくことが大切になります。
今回はパーキンソン病の方へ「歩ける身体づくり」に向けた具体的な運動方法、実施の際の注意事項をお伝えします。
パーキンソン病について知りたい方は別の記事がありますので下記の画像から拝読ください。
パーキンソン病の進行状況によって難易度が高い項目もありますので、転倒に注意して行うようにしましょう。
Contents
有酸素運動
ウォーキング
- 自然な歩行
- フォーム: 頭を上げ、目線を前方へ。肩をリラックスさせ、腕を自然に振る。
- 足の着地: 踵から接地し、足全体で地面を押すように歩く。
- 歩幅: 歩幅を意識して大きくする。
- ペース: 自然な速さから始め、徐々にスピードを上げる。
- 階段昇降
- フォーム: 手すりを使ってバランスを保ちながら昇降する。
- 頻度: 1日に数回、短いセッションを行う。
サイクリング
- エルゴメーター
- 設定: シートの高さやペダルの抵抗を調整する。
- セッション: 初めは短時間(5-10分)から始め、徐々に時間を延ばす。
- インターバル: インターバルトレーニングを取り入れ、ペースを変える。
- 屋外サイクリング
- 安全: ヘルメットを着用し、安全なルートを選ぶ。
- バランス: 一定の速度を維持しバランスをとる。バランスに自信がない場合、三輪自転車や電動アシスト自転車を使用する。
※転倒の危険性が高い方は、デイサービスなどに設置されているエルゴメーターを利用する。
水泳
- アクアエクササイズ
- 水中ウォーキング: プールの浅い部分で歩く。水の抵抗を利用して筋力を強化する。
- 水中ジョギング: 水中で軽く走る。負荷を調整するために浮き具を使用する。
- ラップスイミング
- 距離とペース: 初めは短い距離をゆっくりと泳ぐ。慣れてきたら距離とペースを増やす。
- ストローク: 自分に合った泳ぎ方(クロール、背泳ぎなど)を選び、リラックスして行う。
ウェイトトレーニング
- 脚の筋力強化
- スクワット: 足を肩幅分ほど広げて立ち、膝を曲げて腰を下げる。膝がつま先を超えないように注意する。
- ヒールレイズ:両方の踵を上げ、つま先立ちになる。その後、ゆっくりと踵を下す。つま先が丸くならないよう注意する。ふらつく場合は手すりや椅子に掴まって実施する。
バランス運動
片足立ち
- サポート付き片足立ち
- 手すりや壁を使って: 片足で立ち、支えを使ってバランスを保つ。慣れてきたら掴まっている手の力を抜いて、足で支えるようにしていく。
- 時間: 最初は短時間から始め、徐々に時間を延ばす。
- サポートなし片足立ち
- 姿勢: 両腕を広げてバランスを取りながら片足で立つ。
- 難易度: 目を閉じたり、不安定な表面で行うことで難易度を上げる。
※転倒に注意して実施する。
歩行練習
歩幅を広げる練習
- テープやマーカー: 地面にテープやマーカーを置き、目印にして歩幅を広げる。
- リズムに合わせた歩行: メトロノームや音楽に合わせて一定のリズムで歩く。
まとめ
これらの運動を日常生活に取り入れることで、パーキンソン病の症状の改善や進行の遅延が期待できます。重要なのは、無理をせず自分のペースで継続することです。また、専門家(理学療法士、作業療法士など)と相談し、自分に合ったプログラムを作成することが大切です。