姿勢を考える~バイオメカニクス~

姿勢とバイオメカニクスの関係

私たち地球という星で生活しています。地球には「重力」という力が働いており、私たちは当たり前のように生活を送ることができています。

では、重力がなかったらどうなるのでしょうか?

もちろん、無重力では身体が浮いてしまいますよね。宇宙飛行士の動画を見た人はイメージしやすいと思いますが、宇宙空間では、身体が浮く他に、一定の速度で一方へ移動したり、その場でクルクルと回転するような現象も見られます。

地球上に生活しても宇宙空間ほどではありませんが、ジャンプすれば身体を浮かしたり、ボールを転がせばある程度は一定の速度で転がったりします。

重力のおかげで地上に足を着いて歩いたり、寝たり起きたりすることができます。

地球に働く重力は、約9.8m/s²であり地球に大きな変化がない限り変わることはありません。対して私たちは、生まれた時から直立姿勢ではなく、成長に伴なって色々な姿勢を取るようになります。

重力は地球の中心に向かうものです。私たちは、重力を上手く別の力に変えて姿勢を変換することに成功しています。

では、どのような力が働くのかを、バイオメカニクス=力学という視点で紹介していきます。

身体重心、床反力、支持基底面とは

  • 「身体重心」とは、身体質量の中心のことで、最も動きの少ない点のことです。身体重心は上半身重心と下半身重心の中点となります。上半身重心は第7〜第9胸椎に位置し、下半身重心は大腿の1/2〜近位1/3の中点になります。
  • 「床反力」とは、身体(主に足底)と床の接触部分から生じている反力のことを指します。本来、床反力は床と接触している部分から無数に出現しています(下左図)が、身体重心線が床面に接する点は床反力作用点(COP)といいます(下右図)。
  • 「支持基底面」とは、身体が床面や座面などに接している部分の外周によって作られる領域のことです。支持基底面は、広いほど安定性が確保されます。

姿勢との関係性

重心、床反力、支持基底面を利用して様々な姿勢変換を行いますが、仮に重心位置を低くし、足を広げた構えとなれば支持基底面は広くなるため、身体は安定しやすくなります。逆に姿勢を高くすれば、重心位置は高くなり、支持基底面を狭くすれば身体は不安定性になります。

姿勢の少しの変化でバイオメカニクスの影響を大きく受ける事がわかります。

まとめ

バイオメカニクスと姿勢は密接な関係になることが分かります。

姿勢が低ければ、安定性は高くなり、姿勢が高ければ不安定になる。年齢を重ねて背中が丸くなることは、姿勢が低くなるため、実は安定しているのかもしれません。

ただ、安定しすぎると動きにくくなるというデメリットが生じるので、我々は不安定な姿勢選んで生活しています。

姿勢にお悩みの方がいれば当店までご相談ください。